2013年モデルの新しいリムはスゴイんですよ。っていう話。
こんにちは。中です。
先日のブログの端っこにも書いたんですが新しいリムが入荷しました。
2013年からはダブルウォールリムになったんですよ。
って突然言われても???という方も多いでしょうし、べつに前のリムでも良かったよ。って言う方も多いでしょう。
私も2012年以前のリムは好きです。
なんと言っても今時シングルウォールのリムがこんなに似合う自転車ありませんよ。
(純粋な褒め言葉として。)
前置きはこれぐらいにしてそれではリムについて説明していきますが。
まずは「リム」って何よ。というところから。
まず、リムとは・・・
タイヤの内側にある金属の輪の部分ですね。
ブレーキで挟む部分です。
もちろんタイヤの直径に合わせてサイズが変わりますので、16インチ(WO)タイヤのブロンプトンの場合はもちろん16インチ(WO)リムです。
いちいち「WO」と書いているのは、タイヤ径の規格にはいくつか種類がございまして、主だった所で言うとWOとHEの2つの規格があります。
我らがブロンプトンはWOという規格に属しまして、直径が349ミリのタイヤを使用します。実はコレ、かなりの少数派でありまして、世のWO規格の16インチのほとんどはブロンプトンであります。
で、多数派のHE規格の16インチはと言いますと、子供車や一般車で16インチといわれる物は基本的にこっちです。
折りたたみ自転車ではストライダなんかもこちらの16インチを採用していますね。
因みに直径は305ミリ。
ブロンプトンの349ミリと比べると直径が44ミリも違うんです。
さらに付け加えるとHE規格の18インチ(BD-1が採用しているサイズですね)は直径が355ミリ。
なんとブロンプトンと6ミリしか変わりません。
考え方によってはブロンプトンは16インチと表記されるけれど、ほぼ18インチぐらいのタイヤ径ということになります。
ややこしいですね。。。。
話がタイヤ径に逸れてしまいましたが、今日の話はリムです。
まず基礎知識として、リムの構造についてですが、簡単に言ってしまえばU字型の金属をぐるっと円形に丸めたものという感じです。
ブロンプトンの場合、アルミでできています。
U字の上の部分にタイヤがはまって、横の部分をブレーキで挟むと言う事です。
2013年から採用された「ダブルウォールリム」というのはU字の底の部分が2重になっているリムを指します。文字にすると「∀」みたいな感じですが判りにくいので素直に断面図を絵にしてみますね。
ダブルウォール
「で、何でだぶるうぉーるにしたん?」
と思いますよね。
シングルウォールでも普通に走れてましたもんね。
ダブルウォールにする利点は主に2つ。
・頑丈になります。
ま。別に今までが弱かったとは言いませんが(90年代ぐらいまでは正直言って弱かったですがここ数年は問題なしでした。)、構造的にしっかりします。体感出来かどうかはその人次第ですが、硬くなることで回転効率が上がったり走行性が上がるとか上がらないとか。
少なくとも私はまだ体感していません。
あと、頑丈になることでブレーキタッチは良くなったような気がします。
・パンクしにくくなります。
今までのシングルウォールの場合は写真のとおりニップル(スポークを留めているネジ)の頭が見えています。
これが直接チューブに当たると一発でパンクしますのでリムテープなるものを巻きます。たいていはビニール性の帯をニップルを隠すように一周巻くのですが、2012年モデルまではこのリムテープがズレてニップルとチューブが当たってパンクというのがブロンプトントラブルあるあるの筆頭でした。
当店では対処法として全車リムテープをズレないテープ状のものに変更していました。
しかし今年からはダブルウォールですのでニップルとチューブが直接当たりません。
それでももちろんリムテープは要るのですが純正品のままで全然OKです。(いつかは劣化しますので永久にOKと言うわけでは無いですよ。)
という訳で我々販売する側としましては後者の理由で大助かりな訳です。
かなり長文になってきましたが、実はここからが今日の最大のポイントです。
もし読み疲れたら、もう明日にしてください。
実はこの新しいリムは2種類用意されているんです。
ブロンプトンは3速・6速モデルでは内装ハブを使用しています。
内装ハブは直径が太いので小さな車輪径のブロンプトンの場合、リムとスポークの角度がどうしてもきつくなります。
通常のリムはスポークの穴を円の中心に向かって開けているので穴の空いている方向とスポークの角度にはズレが生じます。
それを解決するのがこの新リム。
予めスポークの角度に合わせてスポーク穴を斜めに開けています。
内部はこうなっています。
斜めに削れているのが判りますか?
完全にブロンプトン専用ですね。たまりませんわ。
これによりスポークの引っ張りをしっかりと受け止められる訳です。
あと細かいですがこのタイプのみ穴のフチもきちんと面取りされています。芸が細かいですね。(右下の写真の下のほうです)
という訳で。内装ハブを使った場合用の斜め穴のリムと、主に前輪に使うまっすぐ穴のリムの2つを使い分けています。
主に前輪と書いたのは1・2速モデルの場合はスポーク角度が緩いのでまっすぐ穴リムを使用するからです。
↓こちらはまっすぐ穴リム
それから、小径車はスポークやリムにかかる負担が大きいのでリム中心部はやや肉厚になっていたりします。
と言う訳で、説明するとなが~くなってしまいましたが、通常はリムメーカーが作った既成品を使用しますのでこんな風に車両の特性に合わせて専用のリムを用意する自転車って本当に稀だと思います。
そしてブロンプトンの場合このリムだけでなくブレーキやレバーやサドルなどなどすべての部品にブロンプトンだけのオリジナルの工夫が詰まっているのです。
この流れでスポークについてもちょっと語りたいのですが、長くなりましたので今日はこの辺で。
あ。最後に、
このリムになってからタイヤを外すのはかなり楽になりました。
ブロンプトンオリジナルタイヤやコジャックならちょとコツがわかれば誰でもタイヤレバー無しでも外せます。
そういうコツはオカモト氏によるパンク修理講習会で聞いてみてくださいね。